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ルージュライン[S系年下王子に魅せられて~夢の中の恋~]

甘~い書き下ろし&イラスト付きで配信決定! 同じ会社の後輩・通称「王子」と甘くて淫らな取材旅行!? S系年下王子に魅せられて~夢の中の恋~

有允ひろみ

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【お試し読み】S系年下王子に魅せられて~夢の中の恋~

 一瞬心が華やぐ。だけど、さっきより確実に重くなってきている目蓋が、浮かれそうになっている私の心を押し留めた。
「うーん、そうしたいのはやまやまだけど、実はもう眠くて倒れそうなの。ちょっとだけ眠って、今夜は大人しく帰るわ。誘ってくれて、ありがとう」
「そうですか」
 残念そうな瀬戸君の声を聞いて、その何十倍も落ち込む自分を情けなく思った。
「じゃあ、食事は次の機会にしましょう。あまり遅くならないうちに帰ってくださいね。休日だし、暗くなると女性ひとりでは危ないですから」
「うん、そうする。ありがとう」
 微笑んだ瀬戸君の顔に、軽く頷く。彼は誰にでも優しい。そうとわかっているのに、頬にある火照りが、急速に胸元まで広がりだす。
「ほら、せっかくのお休みの日よ。誰か他の人を誘って、楽しい時間を過ごしてちょうだい」
 カラーシャツを着た彼の腕を、軽く掌で押しやる。
「いえ、真っ直ぐに帰りますよ。あ、もし寝過ごして終電がなくなったら、遠慮なく僕を呼んでください。夜中だとうちからここまで三十分も掛かりませんから」
 瀬戸君の姿が、入り口の向こうへと消える。
(まったく……、どこまで優しい王子様なの)
 軽く肩をすくめて、今更のように壁にある鏡を覗いた。二重瞼が、しょぼしょぼと瞬く。疲れ切った上、赤く上気している自分の顔に改めてがっかりする。
「やれやれ、これじゃあ本物の王子様なんか、望めないわね……」
 呟いた喉の奥から、ため息交じりのあくびが出た。背もたれにあるピンク色のクッションを小脇に抱える。三十平米ほどある部屋の隅には、白いパーテーションに囲まれたミーティングコーナーがある。ローテーブルを囲む様に長椅子が三脚並んでいて、その椅子をふたつ並べると仮眠するのに丁度いいベッドになる。眼鏡をテーブルの上に追いやり、移動させた椅子の上に仰向けに寝そべる。息を深く吸い込み、ゆっくりと吐き出す。それを数回繰り返すと、早々に思考にかすみがかかった。
 夢だと自覚しながら見る夢を「明晰夢」という。瀬戸君が出てくる夢は、きっとそのたぐいだ。夢の中の私は、それが夢だとわかっているから、思うままに振る舞う。
 恋人である瀬戸君に抱きつき、遠慮なくキスを重ねる。
 ガラス越しに、街の喧騒が聞こえる。それが徐々に遠くなると同時に、身体がソファに沈み込むのを感じた。さっき見た瀬戸君の顔を思い浮かべる。優しく微笑んで、私を見つめていた彼の笑顔を。
「瀬戸君……。瀬戸康介君……」
 彼の名前を呼ぶ。
 そうすることで、きっと夢に瀬戸君が来るから。頭の中に、深い森の風景が浮かんでくる。眠り姫である私は、お城の寝室の中、純白のベッドで眠っている。風をはらむレースカーテンが、アーチ形の窓に踊っている。バルコニーの向こうに広がるのは、どこまでも続く深緑の森だ。
『百合亜さん……』
 瀬戸君の声。やっぱり来てくれたんだ。目を閉じたまま、にっこりと微笑む。
『お待たせしてしまいましたか? 今、起こしてさしあげますから』
 王子である彼は、姫君と唇を合わせる。柔らかなキスを感じながら、目を覚まし、彼に両手を差し出す。私たちはぴったりと抱き合い、飽きることなく唇を重ね続ける。
「あッ……」
 私の頬にあった彼の指が、ドレスの胸元をさぐった。窮屈なコルセットを外して、露わになった胸のふくらみに掌を這わせる。彼の舌が、私の耳朶の後ろをくすぐる。
 実際には知らなくても、取材で得た知識が、夢の中の私を奔放に乱れさせる。
「こう、すけ……」
 濡れた唇がこすれて、全身が欲望にまみれる。頬の火照りが、つままれた胸の先端と繋がる。キスがデコルテを巡って、掌に囚われた乳房が、彼の舌先で快楽に震える。
 太腿が焦れて、ドレスの裾が脚の付け根までずり上がった。彼の掌が、膝の内側に割り込む。内腿を辿って、熱に濡れる脚の付け根をゆっくりとなぞり始める。
『触って、いい?』
 頷くと同時に、指先が下着の中に忍んでくる。そこにある蜜に揺蕩(たゆた)い、ぷっくりと膨らんだ秘芯を丁寧に爪弾く。
『すごく、濡れてる……』
 耳朶に囁かれて、全身がざわめく。彼の指が、蜜孔のほとりをゆるゆるとかすめる。
 上下する乳房に、唇が戻ってくる。やんわりと食まれ、先端をちゅっと吸われる。
 舌先に転がされて、また新たに蜜が溢れる。
「こうすけ……、こう……、ぁ……ッ」
 堪らず、掌に瀬戸君のうなじをかき抱いた。指の間に、髪の毛がさらさらと流れる。
 すごく、感じる。夢の中の愛撫に、これまでにないくらいとろけている。

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