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マルコ

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第15回:四十八手で桃太郎を書いてみた


「四十八手」といえば、江戸時代に名付けられたセックスにおける体位の種類のこと。

最近、この四十八手に興味を持ったのですが、そもそも自分は「四十八手」という言葉だけを知っている状態であり、具体的にどんな名前の体位があるのかは知りませんでした。

そこでまずは四十八手の名称から勉強を始めたのですが、調べてみると、これが実に風流なんですよ!

たとえば、こんな体位があります。

立ち花菱」(たちはなびし)

女性の腰の下にクッションなどを敷き、女性器を愛撫すること。いわゆるクンニというやつですが、「立ち花菱」と言った途端に何かすごく風流な香りが漂ってきませんか? 「クンニが得意です」だと単なるエロオヤジですが、「立ち花菱が得意です」だと平安貴族みたいです。

他にも、

鵯越え」(ひよどりごえ)

というのもあります。これは後背位、つまりバックのことですが、「鵯越え」だとずいぶん雅な感じですよね。エロ話をするムードになったときも、「バックが好きです」よりも「鵯越えが好きです」の方が教養あるっぽい雰囲気出せますよね。

そんな四十八手、一覧にするとこんな感じです。

寄り添い
雁が首
鶯の谷渡り
立ち花菱
千鳥の曲
二つ巴
浮き橋
しがらみ
鵯越え
岩清水
椋鳥(むくどり)
後櫓(うしろやぐら)
碁盤攻め
時雨茶臼
絞り芙蓉
しめ小股
撞木(しゅもく)ぞり
抱き地蔵
立ちかなえ
茶臼のばし
鳴門
百閉(ひゃくへい)
仏壇返し
本駒駆け
松葉崩し
鵯越えの逆落とし
獅子舞い
菊一文字
宝船
抱き上げ
立ち松葉
千鳥
燕返し
吊り橋
手懸かり
梃子(てこ)かがり
帆かけ茶臼
窓の月
深山
乱れ牡丹
押し車
御所車
首引恋慕
こたつかがり
こたつ隠れ
達磨返し
流鏑馬
理非知らず


※裏サプリ四十八手解説書より

……うーん、どれも雅!

これはぜひぜんぶ覚えたいところなのですが、何の脈絡もなく四十八手すべてを暗記するのは大変です。

ならば、物語にしてみてはどうでしょうか。

誰もが知る昔話に四十八手を盛り込んでみるとどうなるのか、やってみることにしました。


―――

四十八手桃太郎


昔々、あるところにおじいさんとおばあさんが暮らしていました。
ある日、おじいさんはいつものように深山松葉崩しに出かけ、おばあさんはこたつかがりの合間に岩清水へ洗濯しに出かけました。
おばあさんが千鳥の曲を歌いながら浮き橋で洗濯していると、上流から大きな桃がどんぶらこどんぶらこと流れてきました。

「あらまあ、これはおいしそうな桃だこと」

おばあさんは桃を抱き上げ、家まで持って帰りました。
窓の月が輝き、椋鳥が鳴く時間になって帰宅したおじいさんは、大きな桃を見てびっくり仰天。
さっそく食べようと桃を二つ巴に割ってみると、なんと中から元気な男の子が仏壇返しせんばかりに飛び出してきたではありませんか。

「これは天からの授かりものに違いない」

子どもがいなかったおじいさんとおばあさんは大喜びで、男の子に桃太郎と名前をつけました。
桃太郎はすくすくと成長し、強い男の子に育ちました。

それから何年が経ったでしょう。絞り芙蓉の季節になって、桃太郎はこんなことを言い出しました。

「鬼ヶ島に行って、悪い鬼を退治してきます」

おばあさんに作ってもらったきびだんごを持ち、立ち花菱の家紋がついた着物を着て、桃太郎は鬼ヶ島に出かけることにしました。

道中のある日、桃太郎は犬に出会いました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島に悪い鬼を退治しに行くのです」
「それなら、私がおともしますから、お腰につけたきびだんごを一つくれませんか」
きびだんごをもらった犬は、桃太郎のおともになりました。

またある日、桃太郎は猿に出会いました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島に悪い鬼を退治しに行くのです」
「それなら、私がおともしますから、お腰につけたきびだんごを一つくれませんか」
きびだんごをもらった猿は、桃太郎のおともになりました。

またある日、桃太郎は千鳥に出会いました。
「桃太郎さん、桃太郎さん、どこへ行くのですか?」
「鬼ヶ島に悪い鬼を退治しに行くのです」
「それなら、私がおともしますから、お腰につけたきびだんごを一つくれませんか」
きびだんごをもらった千鳥は、桃太郎のおともになりました。

犬、猿、千鳥をおともに従えて、桃太郎は長い長い旅を続けました。旅は決して順調ではありませんでした。犬と猿はしがらみを抱えており、何度もケンカを繰り返しましたが、そのたびに桃太郎が二人に寄り添い立ちかなえとなって支えました。桃太郎のおかげで犬と猿は和解し、いつしか「首引恋慕」と称されるほどのコンビになりました。

鬼ヶ島の手懸かりを探すのにも苦労しました。

あるときは鶯の谷渡り、あるときは鵯越え、あるときは鳴門の渦潮を眼下に望む吊り橋を渡り、乱れ牡丹の咲く季節になって、ついに鬼ヶ島へとたどり着きました。

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