WEBマガジン{fleur}フルール

登録不要&閲覧無料!! 男女の濃密な恋愛(ラブロマンス)が読みたい貴女へ。ルージュライン
トップ ルージュライン 潮風はいじわるな恋の運命 【お試し読み】潮風はいじわるな恋の運命

ルージュライン[潮風はいじわるな恋の運命]

電子書籍化!「今、言う。俺は好きだよ。なぎのこと」偶然の再会とニセモノの関係の先に待っている恋は、きっと運命☆ 潮風はいじわるな恋の運命

朝来みゆか

前へ ← 1 2 3

【お試し読み】潮風はいじわるな恋の運命

「困ってる人間を放っておけないところ。優しいんだよ」
 男の人から「優しい」なんて言われたのは初めてだ。
 明るくて話しやすい、とか、誰とでもすぐ打ち解けるよね、という評価ならもらったことはあるけれど。
 照れて黙ったなぎさを、流太が覗き込む。
「どうした? 食べきれない? 手伝おうか」
「ううん、大丈夫。食べる」
 なぎさはもやしの山を切り崩し、潜んでいた麺をやっつける。胸が詰まるような感じはするけれど、お腹いっぱい、とギブアップするのは嫌だ。
 食事の後、いつでも連絡して、と携帯電話の番号を交換した。


 帰宅すると、思案顔の母親が待っていた。
「相談があるんだけど」
「どうしたの」
「おばあちゃんに、目の精密検査を受けさせたいの。耳も悪くなってて、補聴器を作り直さないと電話でまともに話せないし、しばらくうちに住んでもらおうと思うんだけれど」
「精密検査か……。心配だね」
「まぁ、年もあるからね。こっちの病院への紹介状を書いてもらったし、一度ちゃんと調べるわ。そういうわけで、またあなたの部屋を使わせてほしいのよ。最長で一ヶ月くらい」
 上京してきた祖母がなぎさの部屋に滞在することが、以前にもあった。その間、なぎさはインストラクター仲間の琴美(ことみ)のマンションに転がり込んでいた。
「うん、わかった。いいよ」
「助かるわ」
 なぎさが承諾するのを前提とした相談だったのだろう。母親はほっと肩を下ろした。
 メールで琴美に打診すると、すぐに思いもよらない返事が来た。
『ちょっと難しいや。実は彼氏ができまして……なぎさに言うタイミング悩んでたんだ。ごめん!』
「げげ」
 琴美とゆっくり喋ったのは三ヶ月ほど前、職場の新年会だ。今年も仕事に邁進すると言っていた。最近も更衣室ですれ違ったけれど、恋をしている気配なんて感じなかった。
「どうしたの、変な声出して」
「ううん、大丈夫。琴美が、レッスンのシフト変えてほしいって」
 とっさに嘘をついた。母が疑いのまなざしを向けてくる。翌日の準備をするからとごまかしつつ、なぎさは自室に引き上げた。
 もし琴美に断られたことを告げたら、あなたはどうなの、いい人いないの、と突っ込まれるのは確実で、母なりになぎさを心配してくれているのがわかるだけに面倒だ。
 親が持ってくる見合い話に弱っていた流太の顔が脳裏をかすめた。どんな母親にも似たところがあるね、と肩を叩き合えば少しは気が晴れるだろうか。
 とにかく今回、琴美を頼れないのはわかった。メール作成画面を開く。
『おめでとう! いいなー。そのうち紹介してね』
 文章の最後に音符マークをつけ、自分が浮かれるのはなんだか違うなと思った。音符を消して送信した。
 琴美は大事な友人だから祝福したいし、なぎさへの報告が後回しになっていたとしても怒るつもりはない。ただ、水くさいなと思う。置いていかれたようでさびしくも感じる。

続きは電子書籍『潮風はいじわるな恋の運命』に収録されています。そちらでお楽しみください。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

★↓こちらもオススメ↓★

◆WEB掲載分に書き下ろしを加えて文庫化決定!
「ヴァージン・ティアーズ」朝来みゆか


◆「素顔を見たいって言ったのに……お仕置きが必要かな」高校時代の先輩と再会! 二人きりの特別なオーディションで快感を引き出され──
「十二年目のチョコレート~先輩の甘いお仕置き~」朝来みゆか


◆素直になれない大人の恋を描く、ソフト緊縛ラブストーリー
「誘惑の調べ ~年下S男子と愛のレッスン~」乃村寧音


◆わかりあうのに大事なのはハダカのお付き合い!?
「びしょぬれラブ☆銭湯~番台から愛をこめて~」草野來

前へ ← 1 2 3
▲PAGE TOP